Melexis Triphibian™がMEMS圧力センサー界に革命をもたらす

Melexis

ベルギー、テッセンデルロ、2024年1月18日 – Melexisは、新しい特許取得済みTriphibianTM技術を特長とする初の製品MLX90830を発売します。この画期的な小型化されたMEMS圧力センサーは、2~70 barのガスおよび液体媒体を安定して測定します。工場内でキャリブレーションされたデバイスは絶対圧を測定し、比例するアナログ出力信号を伝送します。MLX90830 は、最新の電気自動車 (EV) の熱管理システムへのシステム統合を簡素化することでモジュールをコスト効率を高めます。

MLX90830の核となるのは、Melexisの画期的な TriphibianTM 技術であり、これによりMEMS (マイクロエレクトロメカニカルシステム) センサーが5 barを大幅に超える高精度の測定が可能になるだけでなく、液体と接触している状態でも測定可能となります。気体と液体に対応しながら高圧を検知するというこの革新的な組み合わせは、MLX90830のユニークな構造が実現しています。このセンシング機構は、SO16パッケージ内に吊り下げられたカンチレバーを含んでおり、その先端にダイアフラムがあります。

吊り下げカンチレバー設計により、最大2000 bar/msecの圧力スパイク耐性と、最大210 bar の静的バーストレベルを達成。10barまたは 35 barのキャリブレーション済みレンジ から選択可能で、低/高圧冷凍ループを含む、様々なEVの熱管理システムの要求に応じてそれぞれカスタマイズされています。MLX90830の設計は、ガラス基座側とワイヤーボンディング側の間に圧力差が生じる背面露出型のソリューションよりも本質的に堅牢です。この圧力均一化の原理は凍結媒体にも有効であり、MLX90830では MEM 圧力センサーとして初めてそのような条件でも動作を実現しています。

既存の非MEMSベースの設計と比較して、MLX90830は高い精度と堅牢設計が特徴で、車両の熱管理システムの効率の最適化に役立ち、航続距離の延長を可能にします。さらに、コンパクトな組み込みパッケージを活かし、スタンドアロンのセンサーモジュールに比べてセンサーの体積が縮小することができます。

MLX90830はセンサー読み出し回路、デジタルハードウェア、電圧レギュレーター、アナログ出力ドライバーが付属します。メンブレンに埋め込まれたピエゾ抵抗素子がホイートストンブリッジを形成して出力信号を生成します。この信号は増幅され、デジタル形式に変換された後、結果がアナログ出力として提供される前に16ビットデジタル信号処理 (DSP) による温度補償が適用されます。

センサーは過電圧 (+40 V 以上) および逆電圧 (-40 V 以下) に対する高度な保護機能を備えます。これによりトラック用途にも使用可能です。MLX90830はISO 26262に準拠し、コンテキスト外の安全要素 (SEooC; Safety Element out of Context) として開発され、最新のEV安全要求を満たすためのASIL Bレベルまでのシステム統合を可能にしています。

「TriphibianTM技術に基づく小型で精密な工場キャリブレーション済みMEMS圧力センサーへのアクセスにより、EVの熱管理システムの集中化が可能となり、システムのサイズを縮小し信頼性を高めることができます」と、圧力センサー製品マネージャーのカレル・クラーセン氏は述べています。「MLX90830は、顧客によってスタンドアロンデバイスとして、またはシステムに組み込む形で容易に統合できます。」

「TriphibianTM技術の採用により、MEMSセンサーは測定可能な圧力レベルを高めると同時に、対応する媒体の種類を広げることができます」シニアプロダクトラインマネージャーのLaurent Otteは説明します。「液体媒体の圧力を測定することで、これまでMEMS技術では対応できなかった自動車業界内外の用途への道が開かれます」

詳細については、こちらをご覧ください www.melexis.com/MLX90830 または、直接お問い合わせください www.melexis.com/contact 


Downloads