MelexisがLINインターフェースを搭載した新型Triphibian™圧力センサーを発表

ベルギー、テッセンデルロ、2024年12月10日 – Melexisは、Triphibian™技術を採用した新しい圧力センサーMLX90833を発表しました。コンパクトなSO16パッケージで、2~70 barの気体および液体の両方の媒体を堅牢に測定できます。この工場出荷時に校正されたデバイスは、LINデジタル出力による絶対圧力の測定値を提供し、ヒートポンプメーカーの統合を簡素化します。
サーマルマネージメントシステムの複雑化とLINの必要性
ヒートポンプ、特に電気自動車(EV)における加熱および冷却モードの増加により、デジタルインターフェースを備えたスタンドアロンセンサーの需要が高まっています。これらのシステムには、スマート膨張弁、冷却ポンプ、コンプレッサーが含まれることが多く、中央制御ユニットとの効率的な通信が必要です。LINのようなデジタルバスを利用すると、配線の複雑さが軽減され、システムのインテリジェンスが向上し、高度な診断が可能になります。この傾向は特にヨーロッパで顕著であり、LINは急速に従来のアナログセンサー出力に取って代わりつつあります。
Triphibian™技術によるシステム設計の簡素化
バッテリ電気自動車(BEV)のヒートポンプシステムでは、最適な性能を確保するために5つ以上の圧力センサーと温度センサーが必要になる場合があります。これらのセンサーは、高電圧電動コンプレッサーの調整やシステム内のさまざまな膨張弁の制御に重要な役割を果たします。MLX90833はLINインターフェースを統合することで、従来のアナログ接続やSENT接続に比べてデータ転送とシステム設計を簡素化します。
また、MelexisのTriphibian™製品の工場出荷時の校正により、顧客での開発時間と複雑さが大幅に削減されます。Triphibian以外のソリューションでは顧客側で個別のセンシング素子、信号調整用ICを調達し、最終工程での校正装置への投資が必要になりますが、MLX90833は完全に校正済みであるため、すぐに統合できる状態になっています。これにより、モジュール設計が合理化され、製造コストが削減されます。
MLX90833の主な特徴:
- 拡張された圧力範囲:最大70 barの圧力を測定するMEMSセンサーは、従来のセンサーの測定限界を超えます。
- 気体および液体への適合性:両方の媒体で正確な測定値を提供し、システム設計を簡素化します。
- LINデジタル出力:バス接続システムへのシームレスな統合を可能にし、配線の複雑さを軽減します。
- 耐久性の向上:過電圧(+40 V以上)および逆電圧(-40 V以下)に対する高度な保護機構を備えており、トラックを含む過酷なアプリケーションに適しています。
「MLX90833は、ヒートポンプメーカーにとって画期的な製品であり、ゲームチェンジャーになります」と、Melexisのシニア製品ラインディレクターであるLaurent Otte氏は述べています。「高圧と気体および液体媒体の両方を処理できる能力とLINインターフェースを組み合わせることで、システム設計が簡素化され、全体的な効率が向上します。」
MLX90833は、MEMSセンサー、信号調整、デジタル出力ドライバーを含む完全に統合されたソリューションです。高精度(±0.5% FSO)を誇り、ISO 26262に準拠し、コンテキスト外の安全要素(SEooC/Safety Element out of Context)として開発され、最新のEVの厳しい安全要件を満たしています。
詳細については、www.melexis.com/MLX90833をご覧いただくか、www.melexis.com/contactまでお問い合わせください。